Open

デジタルメディア情報や社員の活動などをご紹介する
「つるまう日記」を毎週発信しています。

  • HOME
  • かわら版
  • #219 Looker Studioで役立つ関数5選|レポートが見違える実務活用例つき

#219 Looker Studioで役立つ関数5選|レポートが見違える実務活用例つき

デジタルメディア情報 2025.10.01

 

こんにちは。JOETSUデジタルコミュニケーションズの高瀬です。

今回は、Looker Studioで活用できる「関数」についてご紹介します。

 

企業のWeb担当者にとって、データ分析は施策の成果を見極める上で欠かせない業務です。

その中でもLooker Studioは、Google広告やGA4などのデータを統合し、

わかりやすく可視化できる便利なツールとして多くの現場で利用されています。

 

しかし、標準機能だけでは表現の幅が限られてしまい、

「もっと細かく条件分けしたい」「見やすい指標に加工したい」と感じる場面も少なくありません。

そんなときに役立つのが「関数」を使った計算フィールドです。

本記事では、実務で特に使われる関数を厳選し、

具体的なサンプルコードと活用例を交えながら解説します。

今日からすぐ試せる内容になっていますので、ぜひレポート改善にお役立てください。

 

 

関数の使い方 【計算フィールドの基本を押さえる】

Looker Studioでは、関数を利用する際に必ず「計算フィールド」を使います。

 

計算フィールドには大きく分けて、データソースに直接追加するタイプと、

グラフごとに設定できるタイプの2種類があります。

どちらも既存のデータを加工したり、新しい指標を作成する際に活用されます。

まずは「関数=計算フィールドで使うもの」と理解しておけば十分です。

ここから先では、実務で特に役立つ具体的な関数の活用例をご紹介します。

 

 

Looker Studioのレポートが変わる3つの役立つ関数

レポートを「見せる」だけでなく「伝える」形にするには、

条件分岐や分類、期間比較が欠かせません。

ここでご紹介する3つの関数を使えばデータ整理と解釈がスムーズになり、

上司やクライアントへの説得力ある報告につながります。

 

 

CASE関数 【条件分岐で「もし〜なら」を自在に表現】

CASE関数は、条件に応じて値を切り替える関数です。

例えば「デバイスがモバイルならA、そうでなければB」といった分岐を設定できます。

これにより、レポートを単なる数値の羅列ではなく、意味のある分類に変えられます。

 

実務でよくあるのが、英語表記の都道府県を日本語に変換するケースです。

CASE
  WHEN Prefecture = "Hokkaido" THEN "北海道"
  WHEN Prefecture = "Aomori" THEN "青森"
  WHEN Prefecture = "Iwate" THEN "岩手"
  WHEN Prefecture = "Miyagi" THEN "宮城"
  WHEN Prefecture = "Akita" THEN "秋田"
  WHEN Prefecture = "Yamagata" THEN "山形"
  WHEN Prefecture = "Fukushima" THEN "福島"
  WHEN Prefecture = "Ibaraki" THEN "茨城"
  WHEN Prefecture = "Tochigi" THEN "栃木"
  WHEN Prefecture = "Gunma" THEN "群馬"
  WHEN Prefecture = "Saitama" THEN "埼玉"
  WHEN Prefecture = "Chiba" THEN "千葉"
  WHEN Prefecture = "Tokyo" THEN "東京"
  WHEN Prefecture = "Kanagawa" THEN "神奈川"
  WHEN Prefecture = "Niigata" THEN "新潟"
  WHEN Prefecture = "Toyama" THEN "富山"
  WHEN Prefecture = "Ishikawa" THEN "石川"
  WHEN Prefecture = "Fukui" THEN "福井"
  WHEN Prefecture = "Yamanashi" THEN "山梨"
  WHEN Prefecture = "Nagano" THEN "長野"
  WHEN Prefecture = "Gifu" THEN "岐阜"
  WHEN Prefecture = "Shizuoka" THEN "静岡"
  WHEN Prefecture = "Aichi" THEN "愛知"
  WHEN Prefecture = "Mie" THEN "三重"
  WHEN Prefecture = "Shiga" THEN "滋賀"
  WHEN Prefecture = "Kyoto" THEN "京都"
  WHEN Prefecture = "Osaka" THEN "大阪"
  WHEN Prefecture = "Hyogo" THEN "兵庫"
  WHEN Prefecture = "Nara" THEN "奈良"
  WHEN Prefecture = "Wakayama" THEN "和歌山"
  WHEN Prefecture = "Tottori" THEN "鳥取"
  WHEN Prefecture = "Shimane" THEN "島根"
  WHEN Prefecture = "Okayama" THEN "岡山"
  WHEN Prefecture = "Hiroshima" THEN "広島"
  WHEN Prefecture = "Yamaguchi" THEN "山口"
  WHEN Prefecture = "Tokushima" THEN "徳島"
  WHEN Prefecture = "Kagawa" THEN "香川"
  WHEN Prefecture = "Ehime" THEN "愛媛"
  WHEN Prefecture = "Kochi" THEN "高知"
  WHEN Prefecture = "Fukuoka" THEN "福岡"
  WHEN Prefecture = "Saga" THEN "佐賀"
  WHEN Prefecture = "Nagasaki" THEN "長崎"
  WHEN Prefecture = "Kumamoto" THEN "熊本"
  WHEN Prefecture = "Oita" THEN "大分"
  WHEN Prefecture = "Miyazaki" THEN "宮崎"
  WHEN Prefecture = "Kagoshima" THEN "鹿児島"
  WHEN Prefecture = "Okinawa" THEN "沖縄"
  ELSE Prefecture
END

 

このように変換すると、読み手側も直感的に理解できます。

CASE関数を使えば、データを状況に合わせて柔軟に整理でき、

わかりやすいレポート作成が可能になります。

 

 

REGEXP_MATCH関数 【URLやキーワードをまとめて分類】

REGEXP_MATCH関数は、正規表現を使って文字列をパターンごとに分類できます。

大量のページやキーワードを一つずつ条件指定する必要がなく、効率的に整理できます。

 

例えば以下のように設定すると、

ページURLに「/lp/」が入っているページを「LPページ」

それ以外のページを「通常ページ」を表現することができます。

CASE
 WHEN REGEXP_MATCH(Page, ".*/lp/.*") THEN "LPページ"
 ELSE "通常ページ"
END

 

これにより、LPと通常ページを分けて成果を比較でき、

上司やクライアントに納得感のある報告がしやすくなります。

また集計作業が自動化され、分析スピードも上がります。

 

 

DATE_DIFF関数 【期間比較で成果の伸びをわかりやすく可視化】

DATE_DIFF関数は、2つの日付の差を計算します。

「期間の差」を数値化することで、成果の変化を明確に伝えられます。

 

例えば以下のように記述します。

DATE_DIFF(ConversionDate, FirstVisitDate, DAY)

 

この記述で、初回訪問(GA4の「first_visit」イベント)から

成約までの日数を算出できます。

ユーザー行動の特徴を把握すれば、広告配信やメール施策の改善に役立ちます。

 

 

日常業務が効率化する2つの定番関数

日常の集計やレポート作成では、小さな工夫が効率化に直結します。

CONCAT関数とIFNULL関数はシンプルながら強力で、

無駄な修正や確認作業を減らす効果があります。

 

 

CONCAT関数 【複数の文字列をつないでレポートを整理】

CONCAT関数は複数の文字列を結合し、1つのフィールドにまとめます。

情報を「見やすいラベル」に整理できるため、データ理解が容易になります。

 

実務例としては、キャンペーン名と地域を組み合わせて表示する方法です。

CONCAT(Campaign, " - ", Region)

 

「春セール – 関東」「夏セール – 九州」といった形で表示され、読み手側も直感的に理解できます。

 

 

IFNULL関数 【データ欠損を補完して「抜け漏れゼロ」に】

IFNULL関数は、値が空欄のときに指定した値を返します。

データ欠損を放置すると「この数値は間違いでは?」と疑われ、

信頼性を損ねる可能性があります。

 

以下のように記述すると、空欄を「0」で表示できます。

IFNULL(Conversions, 0)

 

これにより空欄を誤解される心配がなくなり、レポートの一貫性が保たれます。

小さな工夫ですが、資料の完成度を高める効果は大きいです。

 

 

まとめ

本記事では、Looker Studioで実務に役立つ5つの関数を紹介しました。

どれもすぐに取り入れられ、レポートの質を高める効果があります。

  • CASE関数で条件分岐を行い、英語表記を日本語に変換できる
  • REGEXP_MATCHでURLやキーワードをまとめて分類できる
  • DATE_DIFFで期間比較を行い、成果の伸びを可視化できる
  • CONCATで文字列を組み合わせ、見やすいラベルを作れる
  • IFNULLで欠損を補完し、信頼性の高いレポートを提供できる

 

関数を使いこなせば「見やすく、伝わる」レポートを作れます。

まずは本記事のサンプルを試し、自社データに応じて調整してみましょう。

 

 

以上、今回の記事ではLooker Studioでよく使われる関数について、

実務での活用例を交えながらご紹介しました。

 

かわら版では、データ分析をはじめ、Web広告やSNS運用、SEO対策など、

マーケティング担当者の方に役立つ情報を発信しています。

今後の記事や関連記事もぜひチェックしてみてください。

 

また、JOETSUデジタルコミュニケーションズでは、

広告運用やアクセス解析、SNS運用など、

デジタルマーケティング全般のご支援を行っています。

Looker StudioやGA4の活用でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

高瀬(ニックネーム:ゆうまボーイ)
PageTop